クワガタムシ科(Lucanidae)についての調査記録など

目的はverificationismに基づく原典検証・情報整理・批評説明。なお非営利・完全匿名を前提としています。

目次:Table of contents

目次的なページ。 続きの投稿は別館をメインへ。 https://ivene.hatenablog.com/entry/2022/07/07/084051 【Table of contents】 テスト投稿(ブログアイコン画像について)https://ivene.hatenablog.com/entry/2021/10/13/215723 【序文】クワガタムシの化…

New world of Lucanidae.

今回でひとまずの区切り。まだ1年も経ってませんが、とりあえず2.5万アクセスされたようです。 最近だからなのかは分かりませんがgoogleやyahooなどで"Lucanidae"と画像検索すると上位結果に当ブログがあったのは、2万アクセス程度そんなに多くないと思って…

【雑考】美的感覚?

美的感覚については私は専門でも無くて完全素人。でも素人なりに考えてみたりしても詰まらなくはない。生物や自然のみならず人類史での歴史的"創作物"なんかは気軽に楽しめる事が多い印象がある。「こういうのが一般感覚に近いのかな?」というのを考えるキ…

別館Link

別館ブログlink。 ①http://ivene.hateblo.jp こちらはメモ用。解説は大幅に省略。既にいくつか投稿済。 ②https://ivene.hatenadiary.jp/ こちらは日記的なもの用。あまり深くは言及せずな場所。そのうち投稿していきます。 (13個体目の御尊顔。光の当て方で…

【論考】化石種昆虫は実質"未確定種"

クワガタを始め昆虫類などの絶滅生物化石・琥珀は人類が地球上に出現するよりも遥か昔から地下深くに保存されてきた。其れ等が掘り返されて視認出来るようになっている。 (中生代白亜紀に生きたとあるクワガタの顎内歯) 琥珀内のクワガタ群を当ブログで示…

【第拾參欠片】約4千万年前・始新世のクワガタムシ科入りBaltic amberについて

以下は私が艱難辛苦ながら入手に成功した13個体目のクワガタムシ科入り琥珀の触角等画像(図示以外画像は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 産地はリトアニア沿岸部。中身のクワガタと思しき甲虫…

【第拾貳欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が堅忍不抜の意気込みで入手した12個体目のクワガタムシ科入り琥珀の触角(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (マグソクワガタ属に似た体長3.5mm程度のクワガタムシ。本体は少し異…

†Litholamprima qizhihaoi Rixin Jiang, Chenyang Cai, Michael S. Engel, Boyan Li, Haitian Song, Xiangsheng Chen, 2022についての検証

Litholamprima qizhihaoi Rixin Jiang, Chenyang Cai, Michael S. Engel, Boyan Li, Haitian Song, Xiangsheng Chen, 2022 Holotype, NIGP 01D and NIGP 01V, from Liaoning, Lingyuan City, Dawangzhangzi Township, Mazhangzi, Liangyangpo, 41°09′38′′N, …

†Genus Anisoodontus Long Wu, Hao Tang, Lingfei Peng, Huafeng Zhang, Haoran Tong, 2022についての検証

Anisoodontus qizhihaoi Long Wu, Hao Tang, Lingfei Peng, Huafeng Zhang, Haoran Tong, 2022 Type data: mid-Cretaceous Burmese amber. 産地はミャンマー・カチン州のフーコンバレー。約1億年前の"中生代白亜紀中期"(セノマニアン前期)の地層から出土し…

【第拾壹欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が破釜沈船の覚悟で入手に成功した11個体目のクワガタムシ科入り琥珀の左右触角※背面(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (見かけはGenus Paralissotes Holloway, 1996:ヒメコツ…

【第拾欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が不惜身命の覚悟で入手に成功した10個体目のクワガタムシ科入り琥珀の左右触角※右は背面・左は腹面(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (型として細部はマダガスカルのGenus Gane…

†Prolucanus beipiaoensis Zhi-Hao Qi, Erik Tihelka, Chen-Yang Cai, Hai-Tian Song and Hong-Mu Ai, 2022についての検証

Prolucanus beipiaoensis Zhi-Hao Qi, Erik Tihelka, Chen-Yang Cai, Hai-Tian Song and Hong-Mu Ai, 2022 Type data: Yixian Formation near the Huangbanjigou Village of Beipiao City, Liaoning Province. 産地は中国北東部のYi-xian Formation。約1億20…

【第玖欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が曇華一現から入手に成功した9個体目のクワガタムシ科入り琥珀の触角(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (マグソクワガタ属に似た体長3.5mm程度のクワガタムシ、本体は異物が付…

【第捌欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が天佑神助に恵まれ入手に成功した8個体目のクワガタムシ科入り琥珀の左右触角背面(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (オニクワガタ属:Prismognathus Motschulsky, 1860などに…

【第柒欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私にとって盲亀浮木の邂逅だった7個体目のクワガタムシ科入り琥珀の左右触角※腹面(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (マグソクワガタ属に似た体長3.5mm程度のクワガタムシ、本体は…

【第陸欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が剛毅果断の気概を賭けて入手に成功した6個体目のクワガタムシ科入り琥珀の右触角画像※1枚目:背面・2枚目:腹面(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (体長約12mmのクワガタ。本…

【第伍欠片】約4千万年前・始新世のクワガタムシ科入りBaltic amberについて

写真の標本はバルト琥珀で私個人所蔵のクワガタムシ科入り琥珀としては難行苦行の末の5個体目。特異的な触角の形態から不明種としてのSucciniplatycerus sp. またはS. berendti (Zang, 1905)のどちらか。生物種の特定までは不可能。属和名を付けられた事は無…

【第肆欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が大惑不解を乗り越え入手に成功した4つ目のクワガタムシ科入り琥珀の触角等画像(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (マダラクワガタ属に似た体長3.5mm程度のクワガタムシ、本体…

【第參欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私にとって苦尽甘来の邂逅となった3つ目のクワガタムシ科入り琥珀の触角画像(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。 (マグソクワガタ属に似た体長3.5mm程度のクワガタムシ、本体はやや多…

【第貳欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

以下は私が懊悩煩悶を経て入手に成功した2つ目のクワガタムシ科入り琥珀の右触角の腹面・背面画像(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。また記事にした動機・目的は前回と同様である。 (ニセ…

【第壹欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

ミャンマー琥珀からは既に以下の2既知学名があるため、後続の新種記載は控えられている。 †Protonicagus tani Cai, Yin, Liu et Huang, 2017 †Electraesalopsis beuteli Bai, Zhang & Qiu, 2017 では、他で見つかっているミャンマー琥珀から見る白亜紀後期セ…

【論考】呼称「"マイシカクワガタ"」に関するファクトチェック

友人の標本商が困惑しているという事で話題になった問題より。「マイシカクワガタを何故か"メイシカクワガタ"と呼ぶ人がいるが意味が分からない」という話である。たまにマイシカをメイシカと呼ぶ人がいるにはいた。しかし私にもよく分からない話だったし、…

【論考】他人の個人コレクションをネット上に公開する場合にかかるレギュレーション

裏で怨嗟とともに結構しんどい話題が舞い込んできた。いまは事が穏便に進んだように見えるが状況を見るに強引且つ狡いやり方が気になる。それに被害者側がどうも浮かばれない気がしたのと私個人的にも現状の歪な状況にしんどさを感じたので詳細をボカしなが…

【1万アクセス】被関心度検証

謹賀新年、干支は寅。虎の模様は森林や草原に隠れたときに擬態し、多色の識別を苦手とする草食動物に見つかりにくくハンティングに有利と云われていますね。スズメバチや其れに擬態する虫などの警告色も似ていますが其れと役割は異なります。 ブログを始めて…

【論考】ロマンとの葛藤「ギアナ高地のクワガタムシ」

コナン・ドイルの空想科学小説「失われた世界」にも出てきたと有名な「ギアナ高地」のクワガタムシ。テレビ全盛期の時代も何度か映った事もある。そんなのを知った時には是非見たい、是非採集したいとなった人はクワガタファンなら沢山いた。私も例に漏れな…

【論考】再現性を確認出来ない記載文が駄目なのは何故か

タイトルに対する解答は単純明快で、不正研究になるからです、で終わる。とはいえどう不正かという話。※手技や思考的に不器用だから再現性を確認出来ない人の意見は反映されないから此の問題に当たらない。当ブログを読んでいればもう分かったからという人も…

【論考】「客観的な希少性」と「実際的な希少性」

虫を見ていく上で様々な分類群を見る機会がある。初心者でもゆくゆくは希少性という概念を知る事になる。だがこの「希少性」という言葉の裏には色々な要素が絡み合っていて結局は「客観的な希少性」であり、「実際的な希少性」では無い事の方が多い。絶滅種…

【論考】「亜属」という概念のユーザビリティ

分類学では「亜属」という概念が使用されうる。これまでの歴史で、属内種数が多くなり過ぎた属分類群では、いくつかの亜属に分けた方が分かりやすいという考え方も理解出来る。属分類がファイリングのような分類であるとして、亜属もその中の似た分類法で使…

【陰陽道】無限後退と1歩前進の岐路

別に新種記載しなくたって歴史に名が残らなかったって絶滅さえさせなければ生物は地球上の何処かにはいる。だが見つける前に絶滅されたら誰も出会う事が出来なくなる。 分類学活動の最終目標は「自然界での未知種の生存」であるとも考えられる。過激な考え方…

【論考】騙し討ち・はめごろしのある界隈で

私とも深い議論をやり取りした事がある国外の学者氏が、別国家である中国の甲虫についてたった1頭の奇形の可能性が高い個体を使い非科学的新種記載をして、其れが原因で原産地の愛好家達とトラブルになっていたという情報が入ってきた。現地人達の言い分は「…