クワガタムシ科(Lucanidae)についての調査記録など

目的はverificationismに基づく原典検証・情報整理・批評説明。なお非営利・完全匿名を前提としています。

2021-12-30から1日間の記事一覧

【論考】ロマンとの葛藤「ギアナ高地のクワガタムシ」

コナン・ドイルの空想科学小説「失われた世界」にも出てきたと有名な「ギアナ高地」のクワガタムシ。テレビ全盛期の時代も何度か映った事もある。そんなのを知った時には是非見たい、是非採集したいとなった人はクワガタファンなら沢山いた。私も例に漏れな…

【論考】再現性を確認出来ない記載文が駄目なのは何故か

タイトルに対する解答は単純明快で、不正研究になるからです、で終わる。とはいえどう不正かという話。※手技や思考的に不器用だから再現性を確認出来ない人の意見は反映されないから此の問題に当たらない。当ブログを読んでいればもう分かったからという人も…

【論考】「客観的な希少性」と「実際的な希少性」

虫を見ていく上で様々な分類群を見る機会がある。初心者でもゆくゆくは希少性という概念を知る事になる。だがこの「希少性」という言葉の裏には色々な要素が絡み合っていて結局は「客観的な希少性」であり、「実際的な希少性」では無い事の方が多い。絶滅種…

【論考】「亜属」という概念のユーザビリティ

分類学では「亜属」という概念が使用されうる。これまでの歴史で、属内種数が多くなり過ぎた属分類群では、いくつかの亜属に分けた方が分かりやすいという考え方も理解出来る。属分類がファイリングのような分類であるとして、亜属もその中の似た分類法で使…

【陰陽道】無限後退と1歩前進の岐路

別に新種記載しなくたって歴史に名が残らなかったって絶滅さえさせなければ生物は地球上の何処かにはいる。だが見つける前に絶滅されたら誰も出会う事が出来なくなる。 分類学活動の最終目標は「自然界での未知種の生存」であるとも考えられる。過激な考え方…

【論考】騙し討ち・はめごろしのある界隈で

私とも深い議論をやり取りした事がある国外の学者氏が、別国家である中国の甲虫についてたった1頭の奇形の可能性が高い個体を使い非科学的新種記載をして、其れが原因で原産地の愛好家達とトラブルになっていたという情報が入ってきた。現地人達の言い分は「…

【論考】ABS問題 VS 生き物業界

新種記載というのは昔から憧れられやすい。特に人気のある生物だと競争も激しい。そして今代は国内など近場での新種発見の可能性はなくなりつつある(ネタ切れという意味)から国外へと目を向けざるを得ない人もいる。そして問題になっているのがABS問題であ…