【道草話】熱河層群(Jehol Group)の1甲虫化石についての検証
私が過去に入手していた白亜紀前期の甲虫化石が、まぁこれかなという程度に同定出来たので記事にしただけの由。
おそらく、ヒゲブトハナムグリ科(Glaphyridae)Lithohypna属の1種と考えられる。
以下URLの記載文では、破損の大きいタイプ標本で分類されていて私は困ったが、記述上ではヒゲブトハナムグリ科に分類されている。
此の化石を当属に暫定分類した理由は、この産地で1億年以上前に分布していたヒゲブトハナムグリ科絶滅種としてLithohypna属が最初に記載された事によっていて、私自身はヒゲブトハナムグリ科の専門では無いので妥当か否かは自信はあまり無い。
https://www.zin.ru/animalia/coleoptera/pdf/nikolajev_wang_zhang_2011_lithohypna.pdf
とりあえずヒゲブトハナムグリ科近縁種なんだろうか。まだあまり納得がいかないが、消去法で頭部の上唇板や顎形態、触角形態、脚部形態、体型からしてヒゲブトハナムグリ科の可能性は高い。ヒゲブトハナムグリ科甲虫は、クワガタムシ科に最近縁のホソマグソクワガタムシ科(Diphyllostomatidae)によく似ている。
また熱河層からは以下URL先にあるような、クワガタらしき形の化石が出ているが、細部形態が不明なため、科同定は保留とされる。
クワガタモドキゴミムシダマシ(Calognathus chevrolati Guérin-Méneville, 1836)なる虫もいるし、ゴミムシ科(Carabidae)なども似ている。なかなか化石の分類は難しい。
【追記】
既知の科同定や種分類が曖昧な昆虫化石種はクワガタのみにあらず様々なところで問題が多い。ヒゲブトハナムグリ科も熱河層から何属か記載されていて頭が痛かった。
科ごとの特徴、属レベルの特徴、種としての特徴、亜種としての特徴、遺伝子型としての特徴は、それぞれ汎用される概念が異なる。
なあなあで済ませて良いとする感覚は、私には何が良いのか分からない。他人を騙すに等しい行為をしていると自覚はあるのだろうか。そんな事をして何が面白いのか。本筋とは無関係な他意に感けて発表する側の人は気分が良いのかもしれないが、観客の私にとって其れは全く面白くもなく、只々全てがつまらない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6
https://m.srad.jp/story/18/10/09/0734246