クワガタムシ科(Lucanidae)についての調査記録など

目的はverificationismに基づく原典検証・情報整理・批評説明。なお非営利・完全匿名を前提としています。

【第拾欠片】約1億年前・後期白亜紀セノマニアン前期のクワガタムシ科入りBurmese amberについて

 以下は私が不惜身命の覚悟で入手に成功した10個体目のクワガタムシ科入り琥珀の左右触角※右は背面・左は腹面(全身は現状秘密)。※琥珀の真偽判定は、簡単に可能な方法(食塩水テスト、UVテストなど)では確認済。

f:id:iVene:20220314135542j:image(型として細部はマダガスカルのGenus Ganelius Benesh, 1955:ニセヒョウタンクワガタ属や南アフリカのGenus Oonotus Parry, 1864:コバンクワガタ属に似た細身の体長15mm程度のクワガタムシ、本体は樹脂の脱水収縮でヒビだらけ。型としては1点モノで、他に見た事の無い外形のクワガタムシ。さまざまに変わっている。上図は左触角画像で当該琥珀内甲虫個体は間違いなくLucaninae:クワガタムシ亜科としての型を獲得していたと理解出来る形態と姿勢をしている)

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(右触角は第一節が潰れてヒビだらけなど大きく変形するがクワガタとしての特徴がかろうじて分かる。また関節孔の位置も部位により分かる。最初は私も此の見た目で判断したが保存状態に文句はあった。だから変形のあまり見られない左触角が見えた時は感動と安心があった)

 産地はミャンマー・カチン州タナイ。同琥珀には、3mm程度のウンカに似たヨコバイ亜目(Homoptera)?等が同封される。

 琥珀のクワガタは、絶滅既知種との種内雌雄差か種内個体差か別種かの関係性判断は不可能である。ただし現生種とはいずれとも異なる。

 ミャンマー琥珀から出ているクワガタでは最大級。私の知る限りでは、ここまで触角関節部で膝状に屈曲した白亜紀のクワガタは他に無い。当標本の琥珀中甲虫は明らかにクワガタムシ亜科に近い形態を獲得している。しかも大顎や脚の一部形態が何やら変わっている不思議な形態のクワガタである。

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(大顎先端は切株状形態になる)

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(前脚ケイ節距刺も切株状形態)

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(中脚ケイ節距刺も切株状形態※此の脚はフセツが欠損し、反対側の脚部ケイ節距刺は撮影困難)

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(後脚ケイ節距刺も切株状形態。ケイ節側縁の棘列も変わった配置をしている。後脚は非常に保存状態が良く体毛もよく見える。ついでに爪間板もしっかり見える)

 後脚ケイ節の距刺のみ切株状形態になっているなど一部の脚だけなら現生種でも見た事がある形態だ全ての脚で此の形態をしているのは現生種では見た事が無い。

 また大顎外縁に突起がある。

 この化石からゴンドワナを思わせる最も繁栄したクワガタムシ亜科のグループはオセアニアのGenus Lissotes Westwood, 1855や南米にいるSclerostomus Burmeister, 1847をはじめとしたコツノクワガタ類・ムネツノクワガタ類各属、Oonotus属、Agnelius属に近縁な祖先と考えられる。

 マダガスカルは約1億3千万年前にアフリカから分離し約9000万年前にはインド亜大陸とも分離し独立したそうで、となるとAgnelius属は其の辺りの時代に分化独立したと推測できOonotus属は更に古い。

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南アフリカOonotus (Oonotus) adspersus (Boheman, 1857):コバンクワガタ♂個体13.2mm)

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南アメリカ大陸チリの一部に生息しているGenus Sclerostomulus Weinreich,1960 はOonotus属やGenus Xiphodontus Westwood, 1838:オニツツクワガタ属の一型のように前胸背の前方付近中央に特徴的な3突起がある。アフリカ大陸とアメリカ大陸が分離したのが1億年以上昔と言われている事から、この特徴が非常に古いものと予想されうる)

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マダガスカル島にのみ1属1種で分布が見つかっていて雌雄差があまり無い種Agnelius nageli (Kriesche, 1926)♀個体18.6mm〈左〉と、同島の雌雄差が分かりやすい種Ganelius sp.♂個体16.5mm〈右〉※Ganelius属は複数種が纏められた論文があるが交尾器の図示が小さ過ぎるしスケールバー無いし変異検証やっぱり無いしでモヤモヤしたままなので追補報告を期待したい。マダガスカルインド亜大陸と近かった事からこちらの方が件の琥珀の虫と近縁だった可能性もありうる)

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(南米ブラジルのとある地域に局所分布するSclerostomus truncatus Lüderwaldt, 1935:トルンカトゥスムネツノクワガタ。大顎の形態が複雑で、外縁突起は背面を向いているが祖先種では外側を向いていた名残りに見える。また顎裏には体毛が見られる)

 およそ1億年前には既に15mmサイズのクワガタムシ亜科形態を獲得していたという事から、近縁科のフンチュウなどよりは後かもしれないが、やはり三畳紀に別科と分かれたのでは?と予想する。3mm程度の甲虫がクワガタの始祖だろうとすると、15mmとなると5倍、大して被子植物が繁栄していない時代にここまでサイズを大きくするのはかなりの障壁があったと推察する。

 アフリカ大陸南端辺りで分布するOonotus属は同様に南アフリカ地域で分布するXiphodontus endroedyi Bartolozzi, 2005:エンドロディオニツツクワガタ♀に同じく前胸背板前方に特徴的な3つの小さな凸状形態が見られる。そして其の特徴は南米チリに分布するSclerostomulus属でも同様に見られる。別系統で偶然それぞれが獲得したとは思えないくらいに似た形態特徴である。

https://pdfs.semanticscholar.org/ac00/151e7162387036711dcb70eae2265120db00.pdf

 およそ1億3千万年前には既にクワガタムシ亜科形態を獲得した個体が居たと考えれば、クワガタムシの始祖出現は更にずっと古い。

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【References】

Smith ABT 2006. A review of the family-group names for the superfamily Scarabaeoidea (Coleoptera) with corrections to nomenclature and a current classification. Coleopterists Society Monograph 5: 144–204.

Bartolozzi L. 2005. Description of two new stag beetle species from South Africa (Coleoptera: Lucanidae). African Ento- mology, 13(2): 347–352.

Bartolozzi, L., Perissinotto, R., & Clennell, L. 2019. Description of the female of Xiphodontus endroedyi Bartolozzi, 2005 (Coleoptera: Lucanidae). Fragmenta Entomologica, 51(2), 187–188.

Cai, Chenyang, Zi-Wei Yin, Ye Liu & Di-Ying Huang. 2017. Protonicagus tani gen. et sp. nov., the first stag beetles from Upper Cretaceous Burmese amber (Coleoptera: Lucanidae: Aesalinae: Nicagini). Cretaceous Research. 78. 109-112.

Benesh, B. 1955. Some further notes on the stagbeetles, with especial reference to Figulinae. Transactions of the American Entomological Society 81:59-76.

Parry, F.J.S. 1864. A catalogue of lucanoid Coleoptera; with illustrations and descriptions of various new and interesting species. Transactions of the Entomological Society of London (3)2:1-113.

Tabana, M., Okuda, N., 1992. Notes on Nicagus japonicus Nagel. Gekkan-Mushi 256, 4-10.

Westwood, J.O. 1838. Lucanidarum novarum exoticarum Descripcum Monographia Generum Nigidii et Figuli. The Entomological magazine 5:259-268.

Westwood, J.O. 1855. Descriptions of some new species of exotic Lucanidae. Transactions of the Royal Entomological Society of London, (N.S.) 3:197-221.

Burmeister, H.C.C. 1847. Handbuch der Entomologie. Coleoptera Lamellicornia, Xylophila et Pectinicornia. Enslin. Berlin 5:1-584.

Weinreich, E. 1960. Revision südamerikanischer Lucanidae (Ins. Col.), II. Senckenbergiana Biologica 41 (1/2), 41–95.

Lüderwaldt, H. 1935. Monographia dos lucanideos brasileiros. Revista do Museu Paulista, 19, 447–574.

【追記】

 推定約1億年前の白亜紀セノマニアンのクワガタムシ。変形が多いが透明度が高く形態的にも様々に面白い。白亜紀の甲虫としては大型でミャンマー琥珀中の虫では触角形態も特異的である。

 触角はperfectにクワガタムシ科甲虫である事を示しており出品者にかなりの自信があったらしく飛び抜けて最高額の琥珀であった。同定が出来る天然琥珀標本は偉い。しかしそれでも最初は頭部背面に葉が乗っており背面から顎が見えない状態だった為、私自身で切削・研磨し見えるようにした。綺麗に切削・研磨する為には、最初に予め色々計画を考えておく。素晴らしい出来に仕上げられると最高の資料になるが、細かい切削は相当に繊細で難しい作業であるので致命的な破壊をしないように作業するのは慣れていない人にはお勧め出来ない。

 出品時の画像では樹脂の揮発収縮で変形した右側触角のみしか見えずだったが、入手後に色々工夫して観察してみると左側触角は殆ど変形せずに綺麗な形態を保っている事が分かって僥倖であった。希少性は最高クラスと言って申し分無い。

 しかしやはりあの値段はかなりキツかった。詳しい額はロマンにしておきたいから言わないでおくが庶民的な価格では全くなかった。大富豪が目利きならサッと売れただろう。。他に目利きの富豪琥珀バイヤーが居ないから私が買う羽目になったらしい。

【雑記】

 虫入り琥珀について調べるにしても生物学的知見を照らし合わす目的で現生の虫をよく調べる必要がある。標本資料や琥珀資料について一通り知識を頭に入れるには其れ形の労力が不可欠であると実際に観察・考察を続けていけば理解出来てくる。しかし資料を集めるのは資金も要るし当ブログで色々書いているように諸般の事情で難しい気分になる事が多い。

 私も最初は琥珀の知識に関して年季が浅く中身の虫の色が現生の時点とあまり変わっていないと思っていた。しかし自然界で体組織が樹脂により"固定"される形であったため色は本来の生物色から黒色化していると理解し今は其れを念頭に置いて虫入り琥珀を観察している。保存状態がいくらよくとも物性的に経年劣化は免れない。其の事をはじめ色々な事が分かったのも理科学的な資料が今代の時代に出揃っているからとも言える。

http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/2anat/cn9/cn12/cn20/pg277.html

 資料を集める際は誰しも「不安要素を払拭したい」と考えるのが至極当然普通の感覚である。しかし其れを簡単にやる方法は無く結局は悩み、頭痛のタネになる。統計データにしても数字のトリックで恣意的解釈がよく見られるが其れ等は再現性や応用性が殆ど無い論理構成で作られているから早晩バレる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8D%E7%8F%BE%E6%80%A7

 だから生(なま)データ、つまり文字や数値化されたものではなく現物に近いデータでの比較資料があるというのはいずれの検証に於いても必要不可欠になってくる。この「生データ」という言葉について数値や文字の事と勘違いする人も多いが其れは間接的なデータであって、捏造されていないデータかどうか其れ等だけでは簡単には分からない。「対照群または対照区」としての"コントロール"の考え方を知らない一般人はまだまだモノ凄く多い。

https://www.weblio.jp/content/%E7%94%9F%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF

 何処においても禹行舜趨*慇懃無礼*阿諛追従*一言居士*外巧内嫉*口蜜腹剣*皮相浅薄*辺幅修飾*走馬看花な人達は存在しているが、其れ等も客観的に見てみれば標本資料的であるかもしれない。分かりにくい論文などは反面教師的資料として考察ネタになる。しかし最早論文とは"そういうものだ"というネガティブバイアスを一般庶民すら持って読む事が普通な時代になっていてきていてやるせない。

https://toyokeizai.net/articles/-/230832?page=2

 例えば研究不正があるが、其れが行われる原因は大きく3つある。1つは明らかな間違い。2つめは競争が激しく資金を得にくい人達の悪足掻き、そしてもうひとつは目立ちたいという功名心で研究不正そのものが最初から目的になっている人達による無謀な挑戦である。前者2つの方が割合美談にされやすいからか目立つが、実際のところでは後者である3つめも多い。方向性では良く似るが悪質さで後者が明らかに勝る。彼らの無謀さには"他人を見下している"か、"概要を知らずに細々とした知識で誤った考え方をしている"かの原因が考えられうる。だから何にしても研究不正をするなんて阿保以外の何者でも無い。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%98%98%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E5%AD%90%E4%BE%9B

 実績がダメでもカネは欲しいという人達が満杯溢れていて競争も激しく情報の価値が薄れているこの世の中は悪循環の歯車がどんどんと組み上がっていっているように見える。悪循環の歯車は組み合いやすい。例えば"動的平衡"などという「定常状態」を曖昧にしたような造語があるが仰々しい言葉だからと言うだけで其れに感心する人達も沢山いて、なんと雰囲気に流される人の多い事かと唖然とする。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%B8%B8%E7%8A%B6%E6%85%8B

https://synodos.jp/opinion/science/1578/

 生物分類でも「詳しくは分からないけど雰囲気は其れっぽいからとりあえず論文を発表して他の人にネタを取られないようにしよう」とする人達は少なからずいる。種概念や生物学的な知識が半端な状態と自覚がありながら誤った現状認識で予断を論文にする事を自己中心的に"お手付き的"に発表する著者達である。間違いの無い新種でも似たような競合例があり戦略としては急ぐ意味は無くはないが、残念な人達は其れを"戦略さえよければ"と勘違いし体裁のみ真似て"単なる地域変異や種内変異程度の差異"で慌てて"別種"と記載するのである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E9%96%A2%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%A8%E5%9B%A0%E6%9E%9C%E9%96%A2%E4%BF%82

 学術活動が商業的に密接した人達が少なからずいるのは見ていれば分かるが、信用に関しては"カネの為"なのか"純粋な研究の為"なのか客観的に判断されにくくハンデを負いやすい。だからこそ信用を持って商業的に学術活動をする人達は信用問題についてシビアでなくてはならない。

https://en.wikipedia.org/wiki/Coincidence

 悪い著者らは予断の論文を方法論も全く度外視して強引に確かなものだと言い張る。科学界でこういう様態は「政治的過ぎる表現行動」と嗜められる。駄目な論文が増えると研究不正がどんどん増えてしまい、良い論文の存在感が無くなってしまうデメリットが甚大である。だから派閥的・商業的な論文ほど性根を疑って読まないと読者らは足を掬われる。

https://gimon-sukkiri.jp/mislead/

 例として最近、タイムリーに捏造論文の話がやってきたので話題に触れてみるが、なんと実験データの捏造、そして再現性実験をした別の人のデータもコソコソと地道に改竄していたという捏造に執念深さを感じる案件であった。犯行に及んだ元大学院生は初期から捏造に手を染めていたという調査結果から極めて計画的且つ悪質、そして54箇所もの捏造を携えながらNature誌に論文を堂々投稿し見事に査読を突破した上で掲載された事が全て赤裸々に分かった。

https://www.nagoya-u.ac.jp/info/20220316_jimu.html

 似たような捏造は堂々と商業誌や雑多な論文には載るからやはり一般人は頻繁に騙される。ニュースになった理由はNature誌というインパクトファクターの極めて高い一般誌で様々なところからの資金が関わっているからという素因が大きい(その辺の商業誌の信用度が"話半分聞いておけば良い程度"だなんて事は一般常識的に知られているからスキャンダルとしてはインパクトが弱い)。「STAP事件」の時もそうだったが研究不正がニュースになるたび無意味な事務仕事が増える。研究不正の検証になんで貴重なコストを使う羽目にならなくてはならないのか。研究不正などは「始末が悪い」という意味で"電車への飛び込み自殺"に似ている。分類学をはじめ変異や根源的調査、論理的考察を怠りながら予断を論文にされているなど普通に考えれば360°どこからどう見ても不正な論文なんていうのは大量にある。インパクトファクターの高い一般誌に論文を掲載させる事が仕事になっているのは俗な出版社に出しても良いとすると不正が増える可能性が見通されるから其の対策になっていると聞いた事がある。だから対策を擦り抜けて見破られにくい不正が通るとなかなかのスキャンダルであるからニュースになる。インパクトファクターや査読、雑多な文章などは少し化粧を施したお飾りのようなものでしか無いのが実際である(まぁ分類学の論文を掲載するところなんて何処もかしこも読者を納得させるレベルでは無い。インパクトファクターなんて科学誌の中では知れている)。"応用の効かない論文"というのはこういう風に粗が掘り起こされる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%A8%81%E4%B8%BB%E7%BE%A9

 今代の日本は出る研究費が足りないと曰う学者も多い。競争が激しいからとか資金不足だからとかで不正な研究にならざるをえない人達が多いという論で研究不正が擁護されがちである。たしかに彼らは生活の為に大変なのかもしれない。彼らは上辺だけは良く見せようする。生物学の界隈は理系というよりは文系チックな雰囲気が強く科学的に見ればどう考えても悪しき慣例なのを堅持する風潮を持つ小規模界隈が点々とある。そして日本では歴史的に見れば昔より研究費が増えているという事実は何故かあまり語られない。

https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2019/RM283_11.html

 他方で実験器具や資材などを調達しているとどう考えても年々とクオリティが下がっている。原因は世界経済の混乱が一つ挙げられる。中国製品は安い代わりに想像以上に粗悪品が多い、というか増えている(最初だけは客引きの為に良い場合はある)。またヨーロッパでも移民を頻繁に雇い出しただろう所の製品は粗悪品に一変してしまった。世界的に中国経済依存になり影響は計り知れないが日常的に粗悪品を手に取る時代になっている。しかも日本の代理店は其れらをメーカーから横流しするだけの仕事で暴利の値段をふっかける(「過少労力のクセに製造会社より儲けてどうすんだよ」と言いたくなる)。そうやって質が下がったところで後継品として売られるか、製品名も製品番号も一切変えず何の説明や注記もしないまま何食わぬ顔で既製品として販売される。そして需要サイドは「安かろう悪かろう」の製品を見た目だけで"安かろう良かろう"と誤認して買うから何も安心出来ない。対策としては怪しげな製品なんて買わずに自身で作るしか無い。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/violation/

 このように研究倫理とビジネス倫理は一見全く別モノに見えて結構近いところにある事が分かるが、どちらか一方のみに傾倒した主張をする半匿名SNSユーザー等は多い。彼らの"都合の悪い片方に目を瞑り珍説を主張するチェリーピッキングの様子"は甚だ滑稽な光景である。貧しいながらも様々な工夫でやってきている側からすれば「リッチそうな格好をしておきながら毎度のようにslangishな事を言ったり粗悪な論文ばかり出している人達にカネの無心をされてもね」と困惑する。この期に及んで普段から杜撰な論文を誇示しながら尊大な態度でお金を欲しがるなんて"当たり屋"と何が違うのか区別出来ない。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8A%E5%B1%8B

 このように疑いだしたらキリがない「資料収集」の背景というのは、コストがかかりやすく想像されているよりも大変なのである。

https://www.suiha.co.jp/column/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E5%95%86%E3%81%8C%E6%8A%B1%E3%81%88%E3%82%8B%E8%B4%8B%E4%BD%9C%E5%95%8F%E9%A1%8C/