【序文】クワガタムシの化石種って、、
クワガタムシ科(Family Lucanidae Latreille, 1804)の化石種って、意外に多くの種が記載されていますね。これまでに27種の分類群が出版されています。現生種は約1500種と言われていて、現生種の2%近くの絶滅化石種数が見つかっている事になっています。
化石種とは、あらゆる天変地異が原因で絶滅した現生しない生物種の事を意味します。古生物に含まれ、人為的環境改変で絶滅した種群とは異なる区分になります。
私も昔は、様々な虫の中で特に格好良く多型なクワガタムシ科ばかりに目が行き、そんなクワガタの化石種にロマンを感じていました。
(画像は20年かけて集めたウエストウッディオオシカクワガタ:Rhaetus westwoodiiの標本箱。こんなに凄いクワガタの太古祖先はどんな形だったんだろう。気になって雑務に手がつかない。)
しかし、クワガタにソックリでクワガタムシ科甲虫ではない色んな虫が世界中のあちこちで見つかっている事を知ると、何故クワガタと分かったの?何がクワガタである証拠なの?っていう疑問が出てきます。論文に書いてあるのだから、で信用出来たら楽ですが、調べれば調べるほど納得が行かなくなって悩みました。一番大変だったのは化石の画像が無かった事。今ではスケッチや画像を集めきりましたが、一昔前は本当に雲を掴むような作業でした。
探してみると巷では、美しい化石だからとか、保存状態が(最悪の状態に比べると)良いから、珍しいからだとか、そんな言葉で分類論文に煙に巻かれた化石種がチラホラ、いやいや沢山あります(正直、目を覆いたくなるような論文もありました)。
化石種なんだから少しでも形が残っていたら論文にすべきなんじゃないの?という社会的な雰囲気が一般的には存在し、そんな空気に流されてしまいそうになりますが、やはり知れば知るほど納得いかなくなりました。どうでもいい人には知った事では無くて良いと思いますが、気になるのなら出来る範囲で調べてみても面白いと思います。
このブログは、そのような疑問と向き合い、変だなーと思った事に文句をぶつけ、鬱憤を吐き出しておこうと思って作ったようなものです(反論ご意見は不要ですのでコメント欄は閉じています。)
【Refarence】
Frank-Thorsten Krell, 2000. The fossil record of Mesozoic and Tertiary Scarabaeoidea (Coleoptera : Polyphaga). Invertebrate Systematics 14(6):871-905
【他参考URL】
http://unsm-ento.unl.edu/Guide/Scarabaeoidea/Lucanidae/Lucanidae-Overview/LucanidaeO.html